夏のあくび at ムジカジャポニカ (Osaka)
この日はムジカジャポニカで行われたイベント「夏のあくび」に行ってきました。

会場でかみおと最新号を入手、ムジカ名物のカレーを食べながら開演を待ちます。お客さんも徐々に増えていき、最後には会場内はかなりの密度に。
トップバッターのちんぷんかんぷんは、「夏のあくび」というタイトルにふさわしい、夏の昼間にゆったりと流れる時間のような、穏やかで叙情的なフォークソング。こういう音、大好きです。
普段はギターとベースのデュオらしいですが、この日はエレキギターとピアノを加えた4人編成。ファズのかかったギターソロと軽やかに響くピアノが音の厚みと広がりを作り出し、シンプルな編成なのに、音響にスケールの大きさを感じました。
仕切り直しになった「Meeting Point vol.6」に出演されるようですので、是非観に行きたいです。
続いてのキツネの嫁入りは、以前とうめいロボで金子尚代だけは観ていましたが、バンドとしては初めて。色彩豊かなパーカッション、アコーディオン、ギターをつま弾きながら訥々と歌うボーカルが変拍子の上で鮮やかに絡み合い、独特のエキゾチックなムードを生み出していました。決して借り物では済ませないオリジナリティ溢れるサウンドにすっかり引き込まれてしまいました。
メンバー同士のインタープレイ、それも、丁々発止、という感じではなく、様子を伺いながらキャッチボールをするような絶妙な距離感による掛け合いが有機的で、そんな一体感と緊張関係が、心地よい立体的な音像を生み出していて、ちんぷんかんぷんとはまた異質なスケール感を生み出していたように思います。
MCで、このイベントの企画者・なしをさんの実名「鈴木大輔さん」を連呼しまくっていて、会場の皆、彼の本名をすっかり覚えてしまいました。
彼らも「Meeting Point vol.6」に出演されるとのこと。楽しみです。
トリ前の吉田省念と三日月スープは、音曲漫才風の挨拶からリリカルでフォーキーなナンバー、かと思えば奇天烈なおとぼけソングにドロロンえん魔くんのエンディングのカバー……と、とにかく楽しいライブ。無理に例えると、トクマルシューゴの関西煮、といったところでしょうか。これはかなりクセになりそうな音楽です。トランペットの女性が、ものすごくチャーミングでした。同じムジカで、ショピンとの対バンがあるようですので、これは行った方が良さそうですね。
そしてトリは、前野健太とDAVID BOWIEたち。
前回観た時はムジカでの弾き語りでしたが、この日は関西初のバンド編成での出演。貫禄すら感じさせる前野氏のパフォーマンス/歌に、しっかりボトムを支えるベース、パワフルに盛り上げるドラムス、そして、千変万化のフレーズを弾きこなす二胡。特に、時にドローン、時にキーボード、時に激しくソロをかき鳴らすギターのように様々なアプローチで音の厚みを生み出していた二胡が素晴らしく、二胡という楽器にこれほどのポテンシャルがあるのかと感動しました。
歌ももちろん素晴らしく、「鴨川」、「マン・ション」と大好きな曲も聴けて嬉しかったし、「友達じゃがまんできない」〜「ロマンスカー」への流れは鳥肌ものの格好良さでした。エレキギターを爆音でかき鳴らす前野氏も良いですね。
本当にどのバンドも素晴らしく、ムジカのハコの雰囲気や梅雨と夏の狭間という時期にもピッタリな、とても楽しい一夜でした。
一見派手さは無くても、シンプルでいて味わい深い上質なイベント、ってなかなか難しいと思うんですが、この日はまさに「中身の濃さ」で客席みんなの気持ちにしっかりと満足感が残る、そんなイベントだったと思います。

会場でかみおと最新号を入手、ムジカ名物のカレーを食べながら開演を待ちます。お客さんも徐々に増えていき、最後には会場内はかなりの密度に。
トップバッターのちんぷんかんぷんは、「夏のあくび」というタイトルにふさわしい、夏の昼間にゆったりと流れる時間のような、穏やかで叙情的なフォークソング。こういう音、大好きです。
普段はギターとベースのデュオらしいですが、この日はエレキギターとピアノを加えた4人編成。ファズのかかったギターソロと軽やかに響くピアノが音の厚みと広がりを作り出し、シンプルな編成なのに、音響にスケールの大きさを感じました。
仕切り直しになった「Meeting Point vol.6」に出演されるようですので、是非観に行きたいです。
続いてのキツネの嫁入りは、以前とうめいロボで金子尚代だけは観ていましたが、バンドとしては初めて。色彩豊かなパーカッション、アコーディオン、ギターをつま弾きながら訥々と歌うボーカルが変拍子の上で鮮やかに絡み合い、独特のエキゾチックなムードを生み出していました。決して借り物では済ませないオリジナリティ溢れるサウンドにすっかり引き込まれてしまいました。
メンバー同士のインタープレイ、それも、丁々発止、という感じではなく、様子を伺いながらキャッチボールをするような絶妙な距離感による掛け合いが有機的で、そんな一体感と緊張関係が、心地よい立体的な音像を生み出していて、ちんぷんかんぷんとはまた異質なスケール感を生み出していたように思います。
MCで、このイベントの企画者・なしをさんの実名「鈴木大輔さん」を連呼しまくっていて、会場の皆、彼の本名をすっかり覚えてしまいました。
彼らも「Meeting Point vol.6」に出演されるとのこと。楽しみです。
トリ前の吉田省念と三日月スープは、音曲漫才風の挨拶からリリカルでフォーキーなナンバー、かと思えば奇天烈なおとぼけソングにドロロンえん魔くんのエンディングのカバー……と、とにかく楽しいライブ。無理に例えると、トクマルシューゴの関西煮、といったところでしょうか。これはかなりクセになりそうな音楽です。トランペットの女性が、ものすごくチャーミングでした。同じムジカで、ショピンとの対バンがあるようですので、これは行った方が良さそうですね。
そしてトリは、前野健太とDAVID BOWIEたち。
前回観た時はムジカでの弾き語りでしたが、この日は関西初のバンド編成での出演。貫禄すら感じさせる前野氏のパフォーマンス/歌に、しっかりボトムを支えるベース、パワフルに盛り上げるドラムス、そして、千変万化のフレーズを弾きこなす二胡。特に、時にドローン、時にキーボード、時に激しくソロをかき鳴らすギターのように様々なアプローチで音の厚みを生み出していた二胡が素晴らしく、二胡という楽器にこれほどのポテンシャルがあるのかと感動しました。
歌ももちろん素晴らしく、「鴨川」、「マン・ション」と大好きな曲も聴けて嬉しかったし、「友達じゃがまんできない」〜「ロマンスカー」への流れは鳥肌ものの格好良さでした。エレキギターを爆音でかき鳴らす前野氏も良いですね。
本当にどのバンドも素晴らしく、ムジカのハコの雰囲気や梅雨と夏の狭間という時期にもピッタリな、とても楽しい一夜でした。
一見派手さは無くても、シンプルでいて味わい深い上質なイベント、ってなかなか難しいと思うんですが、この日はまさに「中身の濃さ」で客席みんなの気持ちにしっかりと満足感が残る、そんなイベントだったと思います。
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SOUL FLOWER UNION at Shangri-La (Osaka)
この日はShangri-Laにソウル・フラワー・ユニオンを観に行きました。

僕にとっては半年振りのライブ、そしてバンドにとっては新作の先行リリースとメンバーチェンジ直後のツアー。
ライブは、その新メンバー・高木克のスライドギターをフィーチュアした「ラヴィエベル」でスタート。いつもながら、彼等のライブは一曲目ではお客さんとのノリが上手く噛み合わない感じがあるのですが、続いての「ムーンライト・ファンファーレ」でバンドのグルーヴが一気にフロアを飲み込みます。
いつにも増して強烈なエネルギーを放出するバンドサウンドの源は、前任の河村博司よりも積極的に存在感をアピールする高木氏のフレッシュさと、今までにないほど切れ味鋭く表情豊かにリズムを刻む伊藤コーキだったのではないでしょうか。
特に伊藤氏は、いつもの、どことなく平坦で、餅つきでもしているかのような印象が微塵もなく、曲の魅力を最大限に引き立て、静かな曲はより叙情的に、激しい曲ではよりアップリフティングに叩いていました。
本編ラストの「風の市」〜「ブルー・マンデー・パレード」でのテンション、最後に演奏されたヤケクソ気味の高速版「神頼みより安上がり」での疾走感は、彼の存在感がフロアを揺すっていたと言っても過言ではないのではないでしょうか。
数えきれない名曲の数々、そしてその楽曲を最高のコンディションで奏でるアンサンブル。メンバーチェンジによってサウンドがより強化され、バンドはさらにステップアップをし始めたようです。何と頼もしい。
この日の演目は、「満月の夕」が無く、「潮の路」、「平和に生きる権利(歌詞が一部「ゲバラは歌う ボリビアの空から」と変えていました)」、「ムーンダンス〜ロンドン・デリー」、「風の市」などがおなじみのナンバー。
他に、マキシシングルが先行発売されていた「ルーシーの子どもたち」、そして同シングル収録の「秋田音頭」、高木氏加入後に作られたという新曲。
いつもの奥野ピアノをフィーチュアしたインストに加え、高木氏のスライドギターを聴かせるブギーナンバーも。
さらに、リズムをレゲエ調にアレンジした「夏到来」(猛烈な暑さだったこの日にはピッタリでしたね)、上村美保子歌唱による「霊柩者の窓から」(初めてライブで聴きました。彼女の声では若干力不足な感はありましたが、意外な選曲にやはり興奮。後ろで過剰に動き回る中川氏が可愛かったです)等々、いつもながら毎度鮮度を失わない、そして最後まで飽きさせない絶妙な構成。
そして何より感動的だったのが、最初のMC後に歌われた「僕の好きな先生」〜「サヴァイバーズ・バンケット」という流れ。「サヴァイバーズ・バンケット」は、元々どんとに捧げた曲だったと思いますが、こんなところで、こんな流れで歌われることになるとは……。
MCでは、いつもながらの阪神の話題、9月に出るというライブアルバムの話、「Peace Music Festa!’09 from宜野湾」の話(なんとOZOMATLIが出るとか……子供が大きければ行きたかった)、奥野真哉が名古屋でやっているラジオ番組(番組に対するハガキやメールの反応が全くない、という自虐ネタ)など。
終演後、フロアの壁に「ルーシーの子どもたち」のミュージックビデオが流されていました。ちょっと今までに無かった演出でしたね。ビデオも久々に格好良い仕上がりでした(最近のは、結構辛いものが多かったので……)。
「このメンバーにたまに伊丹英子を入れて、あと40年ぐらいやっていくから、よろしく」(by中川敬)
<セットリスト>
ラヴィエベル 〜人生は素晴らしい!
月光ファンファーレ
夏到来
スライダー・カツ
ルーシーの子どもたち
ぼくの好きな先生
サヴァイヴァーズ・バンケット
アクア・ヴィテ
秋田音頭
平和に生きる権利
海へゆく
霊柩車の窓から
殺人狂ルールット
そら
ロンドン・デリー
ホワイトハウスを爆撃
潮の路
Shinya's Blessings
風の市
ブルー・マンデー・パレード
〜アンコール〜
海行かば 山行かば 踊るかばね
〜アンコール2〜
神頼みより安上がり

僕にとっては半年振りのライブ、そしてバンドにとっては新作の先行リリースとメンバーチェンジ直後のツアー。
ライブは、その新メンバー・高木克のスライドギターをフィーチュアした「ラヴィエベル」でスタート。いつもながら、彼等のライブは一曲目ではお客さんとのノリが上手く噛み合わない感じがあるのですが、続いての「ムーンライト・ファンファーレ」でバンドのグルーヴが一気にフロアを飲み込みます。
いつにも増して強烈なエネルギーを放出するバンドサウンドの源は、前任の河村博司よりも積極的に存在感をアピールする高木氏のフレッシュさと、今までにないほど切れ味鋭く表情豊かにリズムを刻む伊藤コーキだったのではないでしょうか。
特に伊藤氏は、いつもの、どことなく平坦で、餅つきでもしているかのような印象が微塵もなく、曲の魅力を最大限に引き立て、静かな曲はより叙情的に、激しい曲ではよりアップリフティングに叩いていました。
本編ラストの「風の市」〜「ブルー・マンデー・パレード」でのテンション、最後に演奏されたヤケクソ気味の高速版「神頼みより安上がり」での疾走感は、彼の存在感がフロアを揺すっていたと言っても過言ではないのではないでしょうか。
数えきれない名曲の数々、そしてその楽曲を最高のコンディションで奏でるアンサンブル。メンバーチェンジによってサウンドがより強化され、バンドはさらにステップアップをし始めたようです。何と頼もしい。
この日の演目は、「満月の夕」が無く、「潮の路」、「平和に生きる権利(歌詞が一部「ゲバラは歌う ボリビアの空から」と変えていました)」、「ムーンダンス〜ロンドン・デリー」、「風の市」などがおなじみのナンバー。
他に、マキシシングルが先行発売されていた「ルーシーの子どもたち」、そして同シングル収録の「秋田音頭」、高木氏加入後に作られたという新曲。
いつもの奥野ピアノをフィーチュアしたインストに加え、高木氏のスライドギターを聴かせるブギーナンバーも。
さらに、リズムをレゲエ調にアレンジした「夏到来」(猛烈な暑さだったこの日にはピッタリでしたね)、上村美保子歌唱による「霊柩者の窓から」(初めてライブで聴きました。彼女の声では若干力不足な感はありましたが、意外な選曲にやはり興奮。後ろで過剰に動き回る中川氏が可愛かったです)等々、いつもながら毎度鮮度を失わない、そして最後まで飽きさせない絶妙な構成。
そして何より感動的だったのが、最初のMC後に歌われた「僕の好きな先生」〜「サヴァイバーズ・バンケット」という流れ。「サヴァイバーズ・バンケット」は、元々どんとに捧げた曲だったと思いますが、こんなところで、こんな流れで歌われることになるとは……。
MCでは、いつもながらの阪神の話題、9月に出るというライブアルバムの話、「Peace Music Festa!’09 from宜野湾」の話(なんとOZOMATLIが出るとか……子供が大きければ行きたかった)、奥野真哉が名古屋でやっているラジオ番組(番組に対するハガキやメールの反応が全くない、という自虐ネタ)など。
終演後、フロアの壁に「ルーシーの子どもたち」のミュージックビデオが流されていました。ちょっと今までに無かった演出でしたね。ビデオも久々に格好良い仕上がりでした(最近のは、結構辛いものが多かったので……)。
「このメンバーにたまに伊丹英子を入れて、あと40年ぐらいやっていくから、よろしく」(by中川敬)
<セットリスト>
ラヴィエベル 〜人生は素晴らしい!
月光ファンファーレ
夏到来
スライダー・カツ
ルーシーの子どもたち
ぼくの好きな先生
サヴァイヴァーズ・バンケット
アクア・ヴィテ
秋田音頭
平和に生きる権利
海へゆく
霊柩車の窓から
殺人狂ルールット
そら
ロンドン・デリー
ホワイトハウスを爆撃
潮の路
Shinya's Blessings
風の市
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〜アンコール〜
海行かば 山行かば 踊るかばね
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父になりました。
以下、ついったへの書き込みのまとめに加筆修正したもの。
13日朝。出産予定日を3日過ぎた嫁が、前日に「帝王切開」の可能性を示唆され、休日だった僕とともに産婦人科へ。おなかの張りのチェック、エコー、その後改めてお腹の張りを調べ、最後に触診をしたところ破水。即入院へ。一旦家に荷物を取りに戻り、感染予防の点滴を受けながら張りの状態を見てもらっている嫁としばらく話をして、昼食をとるために一旦帰宅し、しばらく自宅待機。
16時の段階で「今日は産まれない感じ」という嫁からの連絡を聴き、気持ちが少し落ち着いた直後、「いだいっ」という悲痛なメールが届き、あわてて出かける準備にかかる。
「テニスボールで押す」ということだけうろ覚えだったのでボールを探すも見つからず、そうこうしてるうちに嫁から「来て」と泣きそうな声で電話。とりあえず、ツボ押し用のイボイボのボールを二個持ち、間違えてキノコ型の座椅子を持っていきそうになり、靴を履いたついでに靴べらを持ってきてしまい、何故かマイ箸を鞄に入れ、ケータイを忘れて飛び出す。
病院に着くと、ベッドの隅に丸くなって苦しそうにしてる嫁。看護師さんにマッサージの仕方を教わり、腰を押してあげて痛みを和らげてあげる。この時点で、かなり陣痛がきつそう。
18時頃に夕飯が運ばれてくるが、嫁はあまりの痛みに全く食欲が出ず、デザートのパイナップルを二切れ食べたのみ。仕方なく、彼女の背中をさすりながら、片手でお弁当を食べる。割り箸を割った瞬間、マイ箸を持ってきていたことを思い出す。
天ぷら、焼き魚、タケノコのお吸い物等々、病人向けではないため、普通にデリシャスなお弁当でした。産後楽しみやねーなどと嫁に声をかけて気を紛らわす(主に自分の)。
途中、やや収まったりしながらも不定期に続きながら、気がつけば夜の9時。ここで看護士さんがやってきて赤ちゃんの状態をエコーで見ると、それまで順調に下がっていたと思われていたのが、結構どうにもならない状態になっているとのこと。それにつれて、嫁の陣痛の痛みが尋常でなくなり、悲鳴に近い「痛い」という声。
一旦分娩室で先生に観てもらうことになり、僕は外のソファでしばらく待機。暗いし寒い。基本ダンナは部外者だと実感。
しばらくして呼び出されると、赤ちゃんの状態に着いて説明を受ける。その間も嫁は陣痛の大波が来るたびに悲鳴を上げ続ける。
要するに、赤ちゃんのおでこが骨盤にはまっていて、なおかつ前後が逆向きになっているんだそうだ(うろ覚え、というか理解できなかった)。よく分からないが、「このままだと子宮が破裂する危険性もあるので、陣痛を止めて帝王切開にした方が良い」という説明を、骨盤の模型を使いながら詳しく説明してくれた。
でも、そんな意味分かんないことを詳しく教えられるよりも、横でこっちが泣きそうな悲鳴を上げている嫁を早く助けてあげたいので、説明途中に食い気味に「陣痛止めろ」と。もちろん丁寧な口調で。
急ピッチで帝王切開の準備が始まる22時半。張りを押さえる点滴を打つが、もう赤ちゃんの骨盤へのはまり方が異常なせいで、軽い張りでもベッドをガクガク揺らすほどに苦しむ嫁。
立ち会いすると言ったら、またしばらく待たされた後、給食用のエプロンみたいな白衣と、緑色のヘアキャップと緑色のマスクを渡される。ドラマとかで見るのと同じあの色。でもこれ、なんで緑なんやろか。
手術台と壁一枚隔てたところで待機。痛い痛いと言い続ける嫁の声が、手術用の麻酔が効いてくるにつれて、だんだん普段の落ち着いた口調に。やっぱり、普段聞き慣れないトーンで「痛い」とか言われるのは、結構ショッキングなんだな。
やがて呼び出され、嫁の手を握りながら手術の無事を祈る。落ち着いた嫁の表情を観てちょっとほっとする。おなかバックリ切られてるけど。
最初先生から「1時間半ぐらい」と聴いていたが、僕が嫁のそばに来た時点で、看護師の方が赤ちゃんを受け取る紙を持って待機していたので「あれ、すぐ終わんのかな」と思っていたら、案の定、あっという間に血まみれで悶える赤ちゃんが丁寧にすくいあげられ、看護師さんの手に。
僕はその看護師に連れられ、嫁より先に赤ちゃんをじっくりと見る。最初、赤黒かった赤ん坊。やたら泣きまくってるので「よお泣いてますね」と看護師さんに言うと、「泣くことで肺の動きが活発になって、全身に血がまわるんです」との応え。たしかに、見る間に赤黒かった身体がピンク色に。
羊水を抜くために、口と鼻に管を入れて吸引されるたびに怒ったかのように泣きまくる赤ちゃん。でもあれは、大人でも泣きそう。
父としての最初の仕事・「へその緒を切る」。意外に弾力があって切りにくい。
体重計に乗せると、「3260グラム」。十分大きいが、事前に「3900」と聞いていたので、なんか軽いような気になる。
そのまま赤ちゃんの記念写真を撮ってもらった。何せ、家にケータイを忘れてきているので、この日の記録はこれのみ。手術直前に「ビデオカメラとかで撮ってもいいです」とか言われたが、そんなもん用意してる余裕無かった。
あと手術中に流すBGMに、自分で持ってきたCDをかけてくれる、と聞いていたが、もうテンパリ過ぎて、すっかり忘れていて、結局昔の宇多田ヒカルがかかってた。懐かしかった。
手をしっかり洗った後で、赤ちゃんをだっこさせてもらった。何とも言えない重さ加減と柔らかさ。そして熱い。少し揺すると泣き止む、という、まだ非常にシンプルな状態。
赤ちゃんはショーケースのようなプラスチックの個室へ、嫁は元の病室へ戻り、管や機械だらけで身動きも取れない嫁にねぎらいの言葉、お休みのキスをして帰宅。明日、朝早くからまた病院行きます。ので、もう寝ます。
帰り道、高田渡の「系図」を延々リピートしてました。僕の場合、産まれてからはずいぶん落ち着いてます。産まれる前にうろたえすぎたからでしょうか。シャワーを浴びようと上着を脱いだら、変な汗でびっしょりでした。
2009年6月13日23時52分。帝王切開。女の子。名前は「楽(らく)」 http://tumblr.com/xob217xt0
13日朝。出産予定日を3日過ぎた嫁が、前日に「帝王切開」の可能性を示唆され、休日だった僕とともに産婦人科へ。おなかの張りのチェック、エコー、その後改めてお腹の張りを調べ、最後に触診をしたところ破水。即入院へ。一旦家に荷物を取りに戻り、感染予防の点滴を受けながら張りの状態を見てもらっている嫁としばらく話をして、昼食をとるために一旦帰宅し、しばらく自宅待機。
16時の段階で「今日は産まれない感じ」という嫁からの連絡を聴き、気持ちが少し落ち着いた直後、「いだいっ」という悲痛なメールが届き、あわてて出かける準備にかかる。
「テニスボールで押す」ということだけうろ覚えだったのでボールを探すも見つからず、そうこうしてるうちに嫁から「来て」と泣きそうな声で電話。とりあえず、ツボ押し用のイボイボのボールを二個持ち、間違えてキノコ型の座椅子を持っていきそうになり、靴を履いたついでに靴べらを持ってきてしまい、何故かマイ箸を鞄に入れ、ケータイを忘れて飛び出す。
病院に着くと、ベッドの隅に丸くなって苦しそうにしてる嫁。看護師さんにマッサージの仕方を教わり、腰を押してあげて痛みを和らげてあげる。この時点で、かなり陣痛がきつそう。
18時頃に夕飯が運ばれてくるが、嫁はあまりの痛みに全く食欲が出ず、デザートのパイナップルを二切れ食べたのみ。仕方なく、彼女の背中をさすりながら、片手でお弁当を食べる。割り箸を割った瞬間、マイ箸を持ってきていたことを思い出す。
天ぷら、焼き魚、タケノコのお吸い物等々、病人向けではないため、普通にデリシャスなお弁当でした。産後楽しみやねーなどと嫁に声をかけて気を紛らわす(主に自分の)。
途中、やや収まったりしながらも不定期に続きながら、気がつけば夜の9時。ここで看護士さんがやってきて赤ちゃんの状態をエコーで見ると、それまで順調に下がっていたと思われていたのが、結構どうにもならない状態になっているとのこと。それにつれて、嫁の陣痛の痛みが尋常でなくなり、悲鳴に近い「痛い」という声。
一旦分娩室で先生に観てもらうことになり、僕は外のソファでしばらく待機。暗いし寒い。基本ダンナは部外者だと実感。
しばらくして呼び出されると、赤ちゃんの状態に着いて説明を受ける。その間も嫁は陣痛の大波が来るたびに悲鳴を上げ続ける。
要するに、赤ちゃんのおでこが骨盤にはまっていて、なおかつ前後が逆向きになっているんだそうだ(うろ覚え、というか理解できなかった)。よく分からないが、「このままだと子宮が破裂する危険性もあるので、陣痛を止めて帝王切開にした方が良い」という説明を、骨盤の模型を使いながら詳しく説明してくれた。
でも、そんな意味分かんないことを詳しく教えられるよりも、横でこっちが泣きそうな悲鳴を上げている嫁を早く助けてあげたいので、説明途中に食い気味に「陣痛止めろ」と。もちろん丁寧な口調で。
急ピッチで帝王切開の準備が始まる22時半。張りを押さえる点滴を打つが、もう赤ちゃんの骨盤へのはまり方が異常なせいで、軽い張りでもベッドをガクガク揺らすほどに苦しむ嫁。
立ち会いすると言ったら、またしばらく待たされた後、給食用のエプロンみたいな白衣と、緑色のヘアキャップと緑色のマスクを渡される。ドラマとかで見るのと同じあの色。でもこれ、なんで緑なんやろか。
手術台と壁一枚隔てたところで待機。痛い痛いと言い続ける嫁の声が、手術用の麻酔が効いてくるにつれて、だんだん普段の落ち着いた口調に。やっぱり、普段聞き慣れないトーンで「痛い」とか言われるのは、結構ショッキングなんだな。
やがて呼び出され、嫁の手を握りながら手術の無事を祈る。落ち着いた嫁の表情を観てちょっとほっとする。おなかバックリ切られてるけど。
最初先生から「1時間半ぐらい」と聴いていたが、僕が嫁のそばに来た時点で、看護師の方が赤ちゃんを受け取る紙を持って待機していたので「あれ、すぐ終わんのかな」と思っていたら、案の定、あっという間に血まみれで悶える赤ちゃんが丁寧にすくいあげられ、看護師さんの手に。
僕はその看護師に連れられ、嫁より先に赤ちゃんをじっくりと見る。最初、赤黒かった赤ん坊。やたら泣きまくってるので「よお泣いてますね」と看護師さんに言うと、「泣くことで肺の動きが活発になって、全身に血がまわるんです」との応え。たしかに、見る間に赤黒かった身体がピンク色に。
羊水を抜くために、口と鼻に管を入れて吸引されるたびに怒ったかのように泣きまくる赤ちゃん。でもあれは、大人でも泣きそう。
父としての最初の仕事・「へその緒を切る」。意外に弾力があって切りにくい。
体重計に乗せると、「3260グラム」。十分大きいが、事前に「3900」と聞いていたので、なんか軽いような気になる。
そのまま赤ちゃんの記念写真を撮ってもらった。何せ、家にケータイを忘れてきているので、この日の記録はこれのみ。手術直前に「ビデオカメラとかで撮ってもいいです」とか言われたが、そんなもん用意してる余裕無かった。
あと手術中に流すBGMに、自分で持ってきたCDをかけてくれる、と聞いていたが、もうテンパリ過ぎて、すっかり忘れていて、結局昔の宇多田ヒカルがかかってた。懐かしかった。
手をしっかり洗った後で、赤ちゃんをだっこさせてもらった。何とも言えない重さ加減と柔らかさ。そして熱い。少し揺すると泣き止む、という、まだ非常にシンプルな状態。
赤ちゃんはショーケースのようなプラスチックの個室へ、嫁は元の病室へ戻り、管や機械だらけで身動きも取れない嫁にねぎらいの言葉、お休みのキスをして帰宅。明日、朝早くからまた病院行きます。ので、もう寝ます。
帰り道、高田渡の「系図」を延々リピートしてました。僕の場合、産まれてからはずいぶん落ち着いてます。産まれる前にうろたえすぎたからでしょうか。シャワーを浴びようと上着を脱いだら、変な汗でびっしょりでした。
2009年6月13日23時52分。帝王切開。女の子。名前は「楽(らく)」 http://tumblr.com/xob217xt0
想い出波止場 at Shangri-La (Osaka)
この日はShangri-Laに想い出波止場を観に行きました。

「想い出波止場ワンマンコンサート」と題されたこの日のライブ。前日の名古屋は「想い出波止場ワンマンライブ」、ラストの東京は「想い出波止場ワンマンGIG」と、少しづつタイトルを変えていますが、どうやらどの日もバンドの編成が若干違うようです。
1時間以上遅れての開場にめげそうになりながら、物販で旧譜と会場限定のCD-R(「大阪・ラ」のアウトテイク集だそうです)を購入。山本画伯直筆のイラスト(今回のツアーのチラシの裏に描かれていました)も入手しました。
会場内で、さらに1時間以上待ち、ようやくの開演。ステージに大きく映された「想い出波止場」の文字、そして、その下に小さく「from osaka」。
ドラマーには、なんと砂十島NANI。叩き方だけでもそれと分かる強靭かつ破壊力抜群のドラミングが、強力なバンドの推進力となっていました。
想い出波止場のライブは2004年以来で、未だ全作品を聴けていないので楽曲がほとんど特定できませんが、一応全体の流れを。
冒頭壮絶な電子音とノイズに耳を圧迫され、奇天烈高速変拍子ナンバーで圧倒したかと思うと「ごめんねぇ」と山本氏の気の抜けたMC。続いて、ゲストドラマーとして一楽儀光氏が加わっての激烈に格好良い歌もの変拍子(歌は吉川豊人)。今までありそうになかったツインドラムの組み合わせに、興奮せざるを得ません。
続いてドローンのような曲に入ると、アブストラクトなツインドラムの掛け合いの続く中、山本氏はステージを何故かケータイ片手にウロウロ。途中吉川氏のボーカルとの掛け合いのようなリズム展開を見せながら、ゆったりと終了。
静まり返った会場の中、山本氏の力ない「わんーつーわんつーすりーふぉー」というカウントでリズムが入り、一回グダっとしたかと思うと、NANI氏のハードなスネアアタックから「日本解散」へ。もう、失敗なのかわざとなのか、境界線が全く分かりません。
打ち込みのリズムとツインドラムのブレイクビーツに乗せて般若心経が鳴り響くナンバーが終わると、「おめでとうございます」と山本氏の謎のセリフ。
ミドルテンポのどんよりした歌ものから、突然フロアを置き去りにするような、ケン・スギサキ歌唱による「ジョニー・B・グッド」のハイテンションなカバー、続いてヘヴィなブルースナンバー「Blues For Turn Table」へ。ブレイクで山本氏が「あーもしもし」と電話に出たり、やっぱり一筋縄では行かないねじれ方をしています。
津山篤がベースからサックスに持ち変えると、でたらめなフリークトーンとコーラスで伴奏をつける「太ッ腹(玉砕ワルツ) 」で小気味よく脱臼。
途中に変拍子や逆回転の入り交じった打ち込みの四つ打ちリズムの曲(include :「東京は夜の七時」)が終わると、山本氏の歌ものミドルナンバー、そして、ツインドラムをフィーチュアした変拍子セクションを経て、また歌ものの「GO」へ。この辺りは、結構普通に良い演奏、という感じ。まあもちろん、演奏能力自体は(バンド活動をほとんど行っていないにもかかわらず)ものすごく高いバンドなわけですが。
「最後の曲です……いや違うか」と言いながら始まる不協和音の痛快な「SHELTER BEERHALL」、そして最後は、激しいNANI氏のリズムを主軸にした変拍子の反復リズムが痛快なナンバー。時折脱臼しながら、四拍子のトランシーな反復リズムのパートを交えながら、後半では一楽氏とのポリリズムが加わりテンションは最高潮に。
エンディングでNANI氏が転げ回りながらドラムセットを破壊して終了。彼のドラムがこのバンドに見事にハマっている、という以上に、元来彼のキャラクターを思えば、このバンドに参加するのも必然と思えるようなパフォーマンスでした。
何故か「STAR TRECK」のテーマ曲を爆音でかけながら退場。アンコールの拍手で一旦戻ってくるものの、ドラムは破壊され、津山氏もベースの弦を引きちぎっていたので、しばしのセッティングタイム。
「毒を食らわば皿まで。どんな目に遭わすか分かりませんので、前の方のインテリの人たちは気をつけてくださいね。なんでみんな眼鏡かけてるんでしょうね。……なんでインテリが来んねん。俺がインテリやからか」などとぶつくさ喋る山本氏。いやあ、おもろい。
そして、ど頭に山本氏が唐突に喉をチョップしながら「ワレワレハ……」とベタな宇宙人真似をして咳き込みながら始まったアンコール。山本氏の「ワンっ」「セブンっ」「33っ」という合図に合わせて、全員がユニゾンで「だんだんだんだんっ」と回数分弾く、というシンプルな曲(と言うんでしょうか)。その演奏に合わせてVJもステージ上に数字を表示してカウントさせていたんですが、VJブース(いつものシャングリラのバーカウンター)でパッドを手打ちしていたのがなんだか面白かったです。僕はVJブースの横で観ていたので、普段はあまり見ることの出来ない映像のライブパフォーマンスを見ることが出来たのもよかったです。アドリブで素材を変えてみたり、演奏をノリノリで楽しみながら映像をミックスしていたのが、いい雰囲気でしたね。
そのVJが、アンコールの手拍子に合わせて手押しでスクリーンをフラッシュさせての二度目のアンコールでは、リコーダーをピロピロと吹く津山氏と、「どすこい、どすこい、すもうとりー」などと歌う山本氏。もう完全に連続バンドの時のような悪ふざけモードです。
二人でハモって水戸黄門のイントロを弾きながら「じーんせーいーらーくーばーかーりー」と歌って、あとは「Happy Talk」のカラオケに合わせて二人で楽しく(「もっと明るくせぇっ」「ミラーボールっ」と、山本氏が妙に威圧的でしたが)歌ってこの日の演目は全て終了……という、何とも言えないアホさ加減。
全編にわたって「謎」「何故」「意味不明」が散りばめられた不条理音楽。ものすごく完璧に構築されているようにも、ただ乱暴にかき集めているようにも見えるセットリスト。実態をはぐらかすかのように一貫性のない演奏。深い意味を持っていて、後にじわりと余韻が残る、というものでもなく、かと言って、面白かった、と気分爽快に帰ることの出来る音楽でもない、あれはなんだったんだろう、と思っても答えが出ずに反芻し続けるしかないような、「不思議な後味」がいつまでも焼き付くような、そんなライブでした。
メンバーは、山本精一(g)、津山篤(b)、砂十島NANI(dr)、一楽儀光(dr)、西滝太(key)、吉川豊人(vo)、ケン・スギサキ(vo)、河村光司(sax, tuba)、という編成だったようです。

「想い出波止場ワンマンコンサート」と題されたこの日のライブ。前日の名古屋は「想い出波止場ワンマンライブ」、ラストの東京は「想い出波止場ワンマンGIG」と、少しづつタイトルを変えていますが、どうやらどの日もバンドの編成が若干違うようです。
1時間以上遅れての開場にめげそうになりながら、物販で旧譜と会場限定のCD-R(「大阪・ラ」のアウトテイク集だそうです)を購入。山本画伯直筆のイラスト(今回のツアーのチラシの裏に描かれていました)も入手しました。
会場内で、さらに1時間以上待ち、ようやくの開演。ステージに大きく映された「想い出波止場」の文字、そして、その下に小さく「from osaka」。
ドラマーには、なんと砂十島NANI。叩き方だけでもそれと分かる強靭かつ破壊力抜群のドラミングが、強力なバンドの推進力となっていました。
想い出波止場のライブは2004年以来で、未だ全作品を聴けていないので楽曲がほとんど特定できませんが、一応全体の流れを。
冒頭壮絶な電子音とノイズに耳を圧迫され、奇天烈高速変拍子ナンバーで圧倒したかと思うと「ごめんねぇ」と山本氏の気の抜けたMC。続いて、ゲストドラマーとして一楽儀光氏が加わっての激烈に格好良い歌もの変拍子(歌は吉川豊人)。今までありそうになかったツインドラムの組み合わせに、興奮せざるを得ません。
続いてドローンのような曲に入ると、アブストラクトなツインドラムの掛け合いの続く中、山本氏はステージを何故かケータイ片手にウロウロ。途中吉川氏のボーカルとの掛け合いのようなリズム展開を見せながら、ゆったりと終了。
静まり返った会場の中、山本氏の力ない「わんーつーわんつーすりーふぉー」というカウントでリズムが入り、一回グダっとしたかと思うと、NANI氏のハードなスネアアタックから「日本解散」へ。もう、失敗なのかわざとなのか、境界線が全く分かりません。
打ち込みのリズムとツインドラムのブレイクビーツに乗せて般若心経が鳴り響くナンバーが終わると、「おめでとうございます」と山本氏の謎のセリフ。
ミドルテンポのどんよりした歌ものから、突然フロアを置き去りにするような、ケン・スギサキ歌唱による「ジョニー・B・グッド」のハイテンションなカバー、続いてヘヴィなブルースナンバー「Blues For Turn Table」へ。ブレイクで山本氏が「あーもしもし」と電話に出たり、やっぱり一筋縄では行かないねじれ方をしています。
津山篤がベースからサックスに持ち変えると、でたらめなフリークトーンとコーラスで伴奏をつける「太ッ腹(玉砕ワルツ) 」で小気味よく脱臼。
途中に変拍子や逆回転の入り交じった打ち込みの四つ打ちリズムの曲(include :「東京は夜の七時」)が終わると、山本氏の歌ものミドルナンバー、そして、ツインドラムをフィーチュアした変拍子セクションを経て、また歌ものの「GO」へ。この辺りは、結構普通に良い演奏、という感じ。まあもちろん、演奏能力自体は(バンド活動をほとんど行っていないにもかかわらず)ものすごく高いバンドなわけですが。
「最後の曲です……いや違うか」と言いながら始まる不協和音の痛快な「SHELTER BEERHALL」、そして最後は、激しいNANI氏のリズムを主軸にした変拍子の反復リズムが痛快なナンバー。時折脱臼しながら、四拍子のトランシーな反復リズムのパートを交えながら、後半では一楽氏とのポリリズムが加わりテンションは最高潮に。
エンディングでNANI氏が転げ回りながらドラムセットを破壊して終了。彼のドラムがこのバンドに見事にハマっている、という以上に、元来彼のキャラクターを思えば、このバンドに参加するのも必然と思えるようなパフォーマンスでした。
何故か「STAR TRECK」のテーマ曲を爆音でかけながら退場。アンコールの拍手で一旦戻ってくるものの、ドラムは破壊され、津山氏もベースの弦を引きちぎっていたので、しばしのセッティングタイム。
「毒を食らわば皿まで。どんな目に遭わすか分かりませんので、前の方のインテリの人たちは気をつけてくださいね。なんでみんな眼鏡かけてるんでしょうね。……なんでインテリが来んねん。俺がインテリやからか」などとぶつくさ喋る山本氏。いやあ、おもろい。
そして、ど頭に山本氏が唐突に喉をチョップしながら「ワレワレハ……」とベタな宇宙人真似をして咳き込みながら始まったアンコール。山本氏の「ワンっ」「セブンっ」「33っ」という合図に合わせて、全員がユニゾンで「だんだんだんだんっ」と回数分弾く、というシンプルな曲(と言うんでしょうか)。その演奏に合わせてVJもステージ上に数字を表示してカウントさせていたんですが、VJブース(いつものシャングリラのバーカウンター)でパッドを手打ちしていたのがなんだか面白かったです。僕はVJブースの横で観ていたので、普段はあまり見ることの出来ない映像のライブパフォーマンスを見ることが出来たのもよかったです。アドリブで素材を変えてみたり、演奏をノリノリで楽しみながら映像をミックスしていたのが、いい雰囲気でしたね。
そのVJが、アンコールの手拍子に合わせて手押しでスクリーンをフラッシュさせての二度目のアンコールでは、リコーダーをピロピロと吹く津山氏と、「どすこい、どすこい、すもうとりー」などと歌う山本氏。もう完全に連続バンドの時のような悪ふざけモードです。
二人でハモって水戸黄門のイントロを弾きながら「じーんせーいーらーくーばーかーりー」と歌って、あとは「Happy Talk」のカラオケに合わせて二人で楽しく(「もっと明るくせぇっ」「ミラーボールっ」と、山本氏が妙に威圧的でしたが)歌ってこの日の演目は全て終了……という、何とも言えないアホさ加減。
全編にわたって「謎」「何故」「意味不明」が散りばめられた不条理音楽。ものすごく完璧に構築されているようにも、ただ乱暴にかき集めているようにも見えるセットリスト。実態をはぐらかすかのように一貫性のない演奏。深い意味を持っていて、後にじわりと余韻が残る、というものでもなく、かと言って、面白かった、と気分爽快に帰ることの出来る音楽でもない、あれはなんだったんだろう、と思っても答えが出ずに反芻し続けるしかないような、「不思議な後味」がいつまでも焼き付くような、そんなライブでした。
メンバーは、山本精一(g)、津山篤(b)、砂十島NANI(dr)、一楽儀光(dr)、西滝太(key)、吉川豊人(vo)、ケン・スギサキ(vo)、河村光司(sax, tuba)、という編成だったようです。
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MAGMA at BIGCAT (Osaka)
この日はBIGCATにMAGMAを観に行きました。

98年の初来日から数えて既に11年。結成40周年というタイミングでの4度目の来日となった今回は、パガノッティ兄弟が抜け、新たなボーカリストが加入、キーボーディストも交代し、さらにヴィブラフォン奏者を伴った新編成。
メンバー:Christian Vander (drums,vo) / Stella Vander (vo,percussion) / Isabelle Feuillebois (vo) / Hervé Aknin (vo) / Bruno Ruder (piano, clavier) / Benoit Alziary (vibraphone, piano) / James Mac Gaw (guitar) / Philippe Bussonnet (bass)
チャーミングで親しみ易い風貌のパガノッティ兄弟がいなくなったのは寂しいですが、オープニングの新曲では、早速新ボーカリストが、大きな身体で仁王立ちしての朗々とした歌唱で幕開け。ダークでヘヴィなリズムを刻む、MAGMAらしいシンプルで力強いナンバーでした。歌唱力は見事で、伸びやかで声域も広く、ステラ、イザベルとの相性もばっちり。
続いてのもう一曲の新曲は、打って変わってメロディアスなクアイアが印象的な、複雑な展開を見せる大作。中間でのキーボード・ソロがやや冗長で、緊張感を欠いていたのが気になるところ。
ここで、ステラによるMC(ステラは今回激痩せしていて、ふっくらとしていて美しかった以前と比べると、何となくやつれたような印象)で、新曲についての解説など。
そして、この日のメインディッシュ「Emehnteht-Re完全版」のアナウンスがされると、ひときわ大きな歓声が上がり、「Emehnteht-Re」の、ドーン、という重くスローなリズムとクアイアの掛け合いで幕を開けます。
「Rindoh」を挟み、人気ナンバー「Hhai」の印象的なクアイアが響くと、開場の興奮が最高潮に。
さらに畳み掛けるように、強烈なテンションを保ったまま「Zombies」へ。もうこの辺りでも鳥肌立ちまくりの血圧上がりっ放しなんですが、ここまでは前回来日時でも演奏されていたもの(「「Hhai」を中心に配したメドレー」というのが、それです)。さらにこの日の「完全版」として書き加えられた新パートでさらにテンションが高まり、とどまるところを知らない高揚感に目眩のするような興奮を味わう至福の時間が続きます。特に、空間を鋭く切り裂くスネアのアタック、ヘヴィにうねるベース、痺れるようなミニマルな早弾きフレーズを繰り出すギターの三位一体攻撃は無敵の破壊力。
壮絶な興奮の中、物語は最後のパートへ。ゆっくりと光が射すような兆しを見せながら、一転、地獄の葬列を見るかのような、おどろおどろしいリズムが永遠と繰り返し、深く沈み行く中、ヴァンデの暗く重い、地の底から沸き上がるような歌唱にて、終幕。
まるで情景が浮かんでくるような展開と、演奏の素晴らしさに圧倒され、場内割れんばかりの拍手と歓声。いやぁ、素晴らしいっ。
アンコールでは、まずステラによるメンバー紹介。新メンバーから順に紹介し、最後のヴァンデで最も大きな歓声……といういつもの展開ではなく、なんと日本好きのジェイムスが覚えたての日本語を披露するというおまけコーナーも。「マグマでは〜わたしはいつも ちこくです〜」と俳句を詠んだり(季語が入ってないけど)、「ちょときいていいですか インフルエンザは、だいじょぶですか」などなど、たどたどしい日本語で笑いを取っていました。ステラのMCもそうですが、来日のたびに、MCの雰囲気が和やかになってる感じがしますね。
そして、アンコールのナンバーは、前回の来日時同様、「Kobaia」、そしてヴァンデのボーカル曲。「Kobaia」は、冒頭から壮絶にリズムを崩しにかかる凶悪なドラミングが圧巻、「Wohst Klaahmeun」とタイトルのつけられたボーカル曲では、氏の歌唱力を惜しみなく堪能できるナンバー。中間では、マイクをソプラノサックスのように握り、指を動かしながらサックスのフレーズらしきメロディを歌っていましたが、これが素晴らしい。低域から中域まで自在にメロディを奏で、後半に行くに従って激しく身体を揺さぶりながら、フリーキーにブロウするような絶叫を絡める「うた」とも「器楽」とも言えないような素晴らしい歌唱法に、すっかり聞き惚れてしまいました。
この日のライブでは、高域がやや苦しそうだったり、演奏中にドラムスティックを落としてしまったりと、やや疲れが見え隠れしていたヴァンデでしたが、最後の最後で、やはり総大将が全部持っていきましたね。
約2時間半、途中休憩も入れず、たっぷりと聴かせてくれた今回の来日公演。密度の濃さにお腹いっぱいな充足感と、もっと聴きたくなる飢餓感がないまぜになるような余韻を引きずりながら会場を後にしました。
過去の偉大なる足跡を、依存するためではなく、この先への発展のためにステージにかけ、40年の時間を大きな一本の幹のようにパフォーマンスするこのバンドの凄さを、改めて体感しました。こんなバンド、世界に二つとないでしょう。
「Emehnteht-Re完全版」のリリース、そして次の来日はいつになるのか。情報の発表を、いつものように、過去の音源を聴きながら、気長に待つことにしましょう。
<セットリスト>(こちらを参考にしました)
1. タイトル未定の新曲
2. Felicite Thosz
3. Emehnteht-Re完全版
〜アンコール〜
4. Kobaia
5. Wohst Klaahmeun

98年の初来日から数えて既に11年。結成40周年というタイミングでの4度目の来日となった今回は、パガノッティ兄弟が抜け、新たなボーカリストが加入、キーボーディストも交代し、さらにヴィブラフォン奏者を伴った新編成。
メンバー:Christian Vander (drums,vo) / Stella Vander (vo,percussion) / Isabelle Feuillebois (vo) / Hervé Aknin (vo) / Bruno Ruder (piano, clavier) / Benoit Alziary (vibraphone, piano) / James Mac Gaw (guitar) / Philippe Bussonnet (bass)
チャーミングで親しみ易い風貌のパガノッティ兄弟がいなくなったのは寂しいですが、オープニングの新曲では、早速新ボーカリストが、大きな身体で仁王立ちしての朗々とした歌唱で幕開け。ダークでヘヴィなリズムを刻む、MAGMAらしいシンプルで力強いナンバーでした。歌唱力は見事で、伸びやかで声域も広く、ステラ、イザベルとの相性もばっちり。
続いてのもう一曲の新曲は、打って変わってメロディアスなクアイアが印象的な、複雑な展開を見せる大作。中間でのキーボード・ソロがやや冗長で、緊張感を欠いていたのが気になるところ。
ここで、ステラによるMC(ステラは今回激痩せしていて、ふっくらとしていて美しかった以前と比べると、何となくやつれたような印象)で、新曲についての解説など。
そして、この日のメインディッシュ「Emehnteht-Re完全版」のアナウンスがされると、ひときわ大きな歓声が上がり、「Emehnteht-Re」の、ドーン、という重くスローなリズムとクアイアの掛け合いで幕を開けます。
「Rindoh」を挟み、人気ナンバー「Hhai」の印象的なクアイアが響くと、開場の興奮が最高潮に。
さらに畳み掛けるように、強烈なテンションを保ったまま「Zombies」へ。もうこの辺りでも鳥肌立ちまくりの血圧上がりっ放しなんですが、ここまでは前回来日時でも演奏されていたもの(「「Hhai」を中心に配したメドレー」というのが、それです)。さらにこの日の「完全版」として書き加えられた新パートでさらにテンションが高まり、とどまるところを知らない高揚感に目眩のするような興奮を味わう至福の時間が続きます。特に、空間を鋭く切り裂くスネアのアタック、ヘヴィにうねるベース、痺れるようなミニマルな早弾きフレーズを繰り出すギターの三位一体攻撃は無敵の破壊力。
壮絶な興奮の中、物語は最後のパートへ。ゆっくりと光が射すような兆しを見せながら、一転、地獄の葬列を見るかのような、おどろおどろしいリズムが永遠と繰り返し、深く沈み行く中、ヴァンデの暗く重い、地の底から沸き上がるような歌唱にて、終幕。
まるで情景が浮かんでくるような展開と、演奏の素晴らしさに圧倒され、場内割れんばかりの拍手と歓声。いやぁ、素晴らしいっ。
アンコールでは、まずステラによるメンバー紹介。新メンバーから順に紹介し、最後のヴァンデで最も大きな歓声……といういつもの展開ではなく、なんと日本好きのジェイムスが覚えたての日本語を披露するというおまけコーナーも。「マグマでは〜わたしはいつも ちこくです〜」と俳句を詠んだり(季語が入ってないけど)、「ちょときいていいですか インフルエンザは、だいじょぶですか」などなど、たどたどしい日本語で笑いを取っていました。ステラのMCもそうですが、来日のたびに、MCの雰囲気が和やかになってる感じがしますね。
そして、アンコールのナンバーは、前回の来日時同様、「Kobaia」、そしてヴァンデのボーカル曲。「Kobaia」は、冒頭から壮絶にリズムを崩しにかかる凶悪なドラミングが圧巻、「Wohst Klaahmeun」とタイトルのつけられたボーカル曲では、氏の歌唱力を惜しみなく堪能できるナンバー。中間では、マイクをソプラノサックスのように握り、指を動かしながらサックスのフレーズらしきメロディを歌っていましたが、これが素晴らしい。低域から中域まで自在にメロディを奏で、後半に行くに従って激しく身体を揺さぶりながら、フリーキーにブロウするような絶叫を絡める「うた」とも「器楽」とも言えないような素晴らしい歌唱法に、すっかり聞き惚れてしまいました。
この日のライブでは、高域がやや苦しそうだったり、演奏中にドラムスティックを落としてしまったりと、やや疲れが見え隠れしていたヴァンデでしたが、最後の最後で、やはり総大将が全部持っていきましたね。
約2時間半、途中休憩も入れず、たっぷりと聴かせてくれた今回の来日公演。密度の濃さにお腹いっぱいな充足感と、もっと聴きたくなる飢餓感がないまぜになるような余韻を引きずりながら会場を後にしました。
過去の偉大なる足跡を、依存するためではなく、この先への発展のためにステージにかけ、40年の時間を大きな一本の幹のようにパフォーマンスするこのバンドの凄さを、改めて体感しました。こんなバンド、世界に二つとないでしょう。
「Emehnteht-Re完全版」のリリース、そして次の来日はいつになるのか。情報の発表を、いつものように、過去の音源を聴きながら、気長に待つことにしましょう。
<セットリスト>(こちらを参考にしました)
1. タイトル未定の新曲
2. Felicite Thosz
3. Emehnteht-Re完全版
〜アンコール〜
4. Kobaia
5. Wohst Klaahmeun
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三田村管打団? at nu things (Osaka)
この日はnu thingsに三田村管打団?を観に行きました。

nu thingsで管打団を観るのは初めてで、開演前はムーディな照明やアダルトな雰囲気が管打団に合うのかやや疑問でしたが、メンバーが登場すると、いつもの華やかでチャーミングなステージに様変り。
この日のメンバーは、飯野弥生、井上まり(sax)、泉川美和子(fl)、平岡新、森本アリ(tp)、廣田智子、不動翔子、吉野竜城(tb)、河村光司、塩田遥(tub)、池田安友子、(アフリカから帰って来た)坪内敦(perc)の12人。ドラムス抜きのダブルパーカッションは初めてだとか。音圧のある輪郭のはっきりしたビートが無い分、全体的に適度な揺らぎと丸みを帯びた、ひと味違うリズムの管打団でした。安川マナミは、お子様も産まれて、福井の御曹司のご主人と悠々自適の生活を送られてるとか……。
2月のワンマンとは大幅に違うセットリストで、特に印象的だったのが、LIVE! LAUGH!の「STEAL BEATS」。2ndに収録され、前回のワンマンで演奏した「旅行」にも感動しましたが、今回もまた大好きな曲に心揺さぶられました。MCでは、森本氏、池田氏がLIVE! LAUGH!の最後の一年だけ在籍していたことや、森本氏がライブでのメンバー紹介のときに、大原氏に自信満々に「森本レオっ」と間違えられたことなど、当時のエピソードなど。LIVE! LAUGH!を、大原氏の死後、後追いで聴いた僕には、とても新鮮な話でした。
ミリアム・マケバのカバー「PATA PATA」
も管打団にぴったりで格好良く、久々に聴いた「ルガール・コムン」は、やはり素晴らしく染みる名曲。この日はいつも以上に選曲が素晴らしかったです。でも、アリさんが「新作
からの曲が少ない」とMCで言っていましたが、気がついてみれば、いつも以上に1st
の曲が多めという……。
ステージ上では、曲の前にその場で打ち合わせを始めたり、他の人が喋っていても、おかまい無しににあちらこちらで雑談三昧……と、学校だったら先生に起こられること間違いなし。でもいいんです。学校じゃないし、何よりみんなとても楽しそう。この「楽しさ」が客席にふわふわ漂ってくる幸福感も、管打団の魅力のひとつですね。
亀井奈穂子(cl)が途中合流する予定だったようですが、結局会場に着いたのは本編最後の「キネンジロー」の終わりかけ。その「キネンジロー」では、イントロで池田氏が高速リズムを刻み、そのまま全員盛り上がって、ハイテンションな倍速「キネンジロー」となりました。
アンコールは、クラリネットを持って来ずにお客さんと化していた亀井氏も泉川氏が吹いていたアンデス
で参加して、河村氏の曲「ルダビー」。繰り返し言ってると、黄金色の飲み物が浮かび上がってくる……という、陽気でノリノリなお祭りナンバーでした。
仕事帰りに管打団を観て帰る……という幸せに浸りながら帰宅。この後も、トリトンカフェでのワンマン、三田市のイベント、中之島のイベントなど、面白そうなイベントが目白押しですが、次に行くときは、子連れになるかな……。
<セットリスト>
管打団、西へ
STEAL BEATS
もうこんなになっちゃった
アルボラーダ
ココ(曲名募集中)
アザ・ブランカ
〜休憩〜
ウガンダ
ピグミーのうた
PATA PATA
ハルパン
ルガール・コムン
キネンジロー
〜アンコール〜
ルダビー

nu thingsで管打団を観るのは初めてで、開演前はムーディな照明やアダルトな雰囲気が管打団に合うのかやや疑問でしたが、メンバーが登場すると、いつもの華やかでチャーミングなステージに様変り。
この日のメンバーは、飯野弥生、井上まり(sax)、泉川美和子(fl)、平岡新、森本アリ(tp)、廣田智子、不動翔子、吉野竜城(tb)、河村光司、塩田遥(tub)、池田安友子、(アフリカから帰って来た)坪内敦(perc)の12人。ドラムス抜きのダブルパーカッションは初めてだとか。音圧のある輪郭のはっきりしたビートが無い分、全体的に適度な揺らぎと丸みを帯びた、ひと味違うリズムの管打団でした。安川マナミは、お子様も産まれて、福井の御曹司のご主人と悠々自適の生活を送られてるとか……。
2月のワンマンとは大幅に違うセットリストで、特に印象的だったのが、LIVE! LAUGH!の「STEAL BEATS」。2ndに収録され、前回のワンマンで演奏した「旅行」にも感動しましたが、今回もまた大好きな曲に心揺さぶられました。MCでは、森本氏、池田氏がLIVE! LAUGH!の最後の一年だけ在籍していたことや、森本氏がライブでのメンバー紹介のときに、大原氏に自信満々に「森本レオっ」と間違えられたことなど、当時のエピソードなど。LIVE! LAUGH!を、大原氏の死後、後追いで聴いた僕には、とても新鮮な話でした。
ミリアム・マケバのカバー「PATA PATA」
ステージ上では、曲の前にその場で打ち合わせを始めたり、他の人が喋っていても、おかまい無しににあちらこちらで雑談三昧……と、学校だったら先生に起こられること間違いなし。でもいいんです。学校じゃないし、何よりみんなとても楽しそう。この「楽しさ」が客席にふわふわ漂ってくる幸福感も、管打団の魅力のひとつですね。
亀井奈穂子(cl)が途中合流する予定だったようですが、結局会場に着いたのは本編最後の「キネンジロー」の終わりかけ。その「キネンジロー」では、イントロで池田氏が高速リズムを刻み、そのまま全員盛り上がって、ハイテンションな倍速「キネンジロー」となりました。
アンコールは、クラリネットを持って来ずにお客さんと化していた亀井氏も泉川氏が吹いていたアンデス
仕事帰りに管打団を観て帰る……という幸せに浸りながら帰宅。この後も、トリトンカフェでのワンマン、三田市のイベント、中之島のイベントなど、面白そうなイベントが目白押しですが、次に行くときは、子連れになるかな……。
<セットリスト>
管打団、西へ
STEAL BEATS
もうこんなになっちゃった
アルボラーダ
ココ(曲名募集中)
アザ・ブランカ
〜休憩〜
ウガンダ
ピグミーのうた
PATA PATA
ハルパン
ルガール・コムン
キネンジロー
〜アンコール〜
ルダビー
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ハンバート ハンバート at なんばHatch (Osaka)
この日はなんばHatchにハンバート ハンバートを観に行きました。
去年の音博で見初め、その後「まっくらやみのにらめっこ」
に激ハマりし、そして感涙。改めてライブを観たい……と思いながらも、クアトロのワンマンはチケットを取り逃し、イベントはなかなか行くチャンスに巡り会えず、ようやく行き着いたのが、この日のワンマンでした。
座席は、フロアから一段上がった、PA横の左ブロックの、そのまた左端。二階席の影になって暗いので、何となく寂しい気分に。
お客さんは、20代〜30代の女性が多いような印象。子連れの方も何人か見かけ、中には赤ちゃんを抱いている方もいらっしゃいました。ちらほらと空席が目についたのは、インフルエンザの影響でしょうか。
開演時間から10分ほど遅れてスタート。佐藤良成に、サポートメンバーのエレクトリックベース、マンドリン/フィドルという3人編成で登場し、アイリッシュフォークなインストで幕を開けると、黒いワンピースに、白い仮面を付けた佐野遊穂がゆったりと踊りながら登場。やがて演奏は「荒神さま」へ。既に涙腺が緩み気味……。
「インフルエンザが怖いので、わたしもマスクしてきました」と遊穂氏が笑いを誘い(確か白い仮面の口元は空いてたと思う)、そのまま「怪物」。生で聴く遊穂氏のハーモニカが、音源で聴く以上に感情を揺さぶり、もう目がウルウルです。
前半のハイライト「おかえりなさい」でその波が最高潮へ……となるも、曲終わりでのMCで、すっかりほんわか気分に。
遊穂氏は本番中にぼーっとしてて、ハーモニカを吹くパートを忘れてしまったことがあるそうで、そんな話から「根がぼーっとしてるたちなので、ぼーっとしていることが私の花だ、ということで生きていけたら幸せ。それぞれに花がある、って言ってるじゃん」という、なんだか分からない話になるも、何故か良成氏は
「なるほどね」とあっさり納得。
「そうかー、良かったじゃん」
「うん。みんなありがとーっ」
と、見事会話は成立し、そこからストローク無しに「おなじ話」へ。そんなおとぼけトークからこの曲かぁ、泣いていいやら笑けてくるやら……さすが夫婦、二人の間だけまるで別次元のようです。
「罪の味」で前半を終えると、休憩を挟んで、後半で遊穂氏は明るい色合いのワンピースと帽子を被って登場。演奏もやや明るめの曲が多い感じがしました。
「靴が小さい」と言っていた遊穂氏、「街の灯」の後で靴を脱ぎ、ステージ前に綺麗に揃え、「なんかそのまま客席に飛び降りそう」という良成氏の言葉を聞いてるのか聞いてないのか「綺麗好きだから」。
しかも、次の「大宴会」での笛を持ちながら、
遊穂氏「綺麗好きなんだけど、前に笛を吹く前におにぎり食べたから、ベタベタする」
良成氏「……拭けよっ」
「夜明け」の前には、二人がやっているラジオ番組の話題になり、機転が利かない良成氏に「咄嗟力」を身につけさせることがラジオのもうひとつの目的、と駄目出しをしたかと思うと、ラジオでの面白エピソードを話そうとしながら、オチのところで一人で吹き出してしまい、誰にも面白さが伝わらない、という天然ぶりを発揮する遊穂氏。
さらに、「夜明け」から間を空けずに「おいらの船」を始めようと良成氏がコードを刻み、「おー……」と歌い出すも遊穂氏が入らず、ひとこと「フェイント」。
良成氏「おーいっ、何の意味が……」
遊穂氏「みんなありがとーっ」
なんでしょう、この、噛み合っていないのに、ものすごく相性のいい感じ。
幸せ気分のまま、アンコールで再登場すると、遊穂氏は良成氏に靴を脱ぐよう勧め、脱いでいる間に、サポートメンバーと共にアドリブで伴奏を開始。この辺り、「機転の利く」遊穂氏の本領発揮、といったところでしょうか。
「長いこと待っていたんだ」でアンコールも終え、客電が点き、BGMが流れ始めてもアンコールの拍手が鳴り止ます、またままメンバー登場。しかし、本当に予定外だったのか、ベースの方が知らない曲(マンドリンの方も知らなかったようですが、「前に一回やってるよ」とツッコむ良成氏)らしく、「すごく簡単な曲で、コードはD。最後だけ伸ばす」という説明だけで「メッセージ」を演奏。出だしはさすがに様子見しながらのバッキングでしたが、やがて流れを把握すると、ガッチリとボトムを固め、メロディアスでクールなベースソロも披露。素晴らしい。
2時間強のステージも、これにて終了。曲の随所にライブ的アレンジを交えながらも、これ見よがしな変化球は投げず、「うた」が心地良い鮮度で伸び伸びと響く演奏。そして、遊穂氏と良成氏の自然体で歌い、話す、力みの無さが、うたの世界と相俟って、とても気持ち良かったです。
涙して、笑って、ほっこり和んで……会場中が終始やわらかくてあたたかい空気に包まれた素敵なライブでした。
去年の音博で見初め、その後「まっくらやみのにらめっこ」
座席は、フロアから一段上がった、PA横の左ブロックの、そのまた左端。二階席の影になって暗いので、何となく寂しい気分に。
お客さんは、20代〜30代の女性が多いような印象。子連れの方も何人か見かけ、中には赤ちゃんを抱いている方もいらっしゃいました。ちらほらと空席が目についたのは、インフルエンザの影響でしょうか。
開演時間から10分ほど遅れてスタート。佐藤良成に、サポートメンバーのエレクトリックベース、マンドリン/フィドルという3人編成で登場し、アイリッシュフォークなインストで幕を開けると、黒いワンピースに、白い仮面を付けた佐野遊穂がゆったりと踊りながら登場。やがて演奏は「荒神さま」へ。既に涙腺が緩み気味……。
「インフルエンザが怖いので、わたしもマスクしてきました」と遊穂氏が笑いを誘い(確か白い仮面の口元は空いてたと思う)、そのまま「怪物」。生で聴く遊穂氏のハーモニカが、音源で聴く以上に感情を揺さぶり、もう目がウルウルです。
前半のハイライト「おかえりなさい」でその波が最高潮へ……となるも、曲終わりでのMCで、すっかりほんわか気分に。
遊穂氏は本番中にぼーっとしてて、ハーモニカを吹くパートを忘れてしまったことがあるそうで、そんな話から「根がぼーっとしてるたちなので、ぼーっとしていることが私の花だ、ということで生きていけたら幸せ。それぞれに花がある、って言ってるじゃん」という、なんだか分からない話になるも、何故か良成氏は
「なるほどね」とあっさり納得。
「そうかー、良かったじゃん」
「うん。みんなありがとーっ」
と、見事会話は成立し、そこからストローク無しに「おなじ話」へ。そんなおとぼけトークからこの曲かぁ、泣いていいやら笑けてくるやら……さすが夫婦、二人の間だけまるで別次元のようです。
「罪の味」で前半を終えると、休憩を挟んで、後半で遊穂氏は明るい色合いのワンピースと帽子を被って登場。演奏もやや明るめの曲が多い感じがしました。
「靴が小さい」と言っていた遊穂氏、「街の灯」の後で靴を脱ぎ、ステージ前に綺麗に揃え、「なんかそのまま客席に飛び降りそう」という良成氏の言葉を聞いてるのか聞いてないのか「綺麗好きだから」。
しかも、次の「大宴会」での笛を持ちながら、
遊穂氏「綺麗好きなんだけど、前に笛を吹く前におにぎり食べたから、ベタベタする」
良成氏「……拭けよっ」
「夜明け」の前には、二人がやっているラジオ番組の話題になり、機転が利かない良成氏に「咄嗟力」を身につけさせることがラジオのもうひとつの目的、と駄目出しをしたかと思うと、ラジオでの面白エピソードを話そうとしながら、オチのところで一人で吹き出してしまい、誰にも面白さが伝わらない、という天然ぶりを発揮する遊穂氏。
さらに、「夜明け」から間を空けずに「おいらの船」を始めようと良成氏がコードを刻み、「おー……」と歌い出すも遊穂氏が入らず、ひとこと「フェイント」。
良成氏「おーいっ、何の意味が……」
遊穂氏「みんなありがとーっ」
なんでしょう、この、噛み合っていないのに、ものすごく相性のいい感じ。
幸せ気分のまま、アンコールで再登場すると、遊穂氏は良成氏に靴を脱ぐよう勧め、脱いでいる間に、サポートメンバーと共にアドリブで伴奏を開始。この辺り、「機転の利く」遊穂氏の本領発揮、といったところでしょうか。
「長いこと待っていたんだ」でアンコールも終え、客電が点き、BGMが流れ始めてもアンコールの拍手が鳴り止ます、またままメンバー登場。しかし、本当に予定外だったのか、ベースの方が知らない曲(マンドリンの方も知らなかったようですが、「前に一回やってるよ」とツッコむ良成氏)らしく、「すごく簡単な曲で、コードはD。最後だけ伸ばす」という説明だけで「メッセージ」を演奏。出だしはさすがに様子見しながらのバッキングでしたが、やがて流れを把握すると、ガッチリとボトムを固め、メロディアスでクールなベースソロも披露。素晴らしい。
2時間強のステージも、これにて終了。曲の随所にライブ的アレンジを交えながらも、これ見よがしな変化球は投げず、「うた」が心地良い鮮度で伸び伸びと響く演奏。そして、遊穂氏と良成氏の自然体で歌い、話す、力みの無さが、うたの世界と相俟って、とても気持ち良かったです。
涙して、笑って、ほっこり和んで……会場中が終始やわらかくてあたたかい空気に包まれた素敵なライブでした。
| まっくらやみのにらめっこ | |
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【情報転載】裁判員選任手続きにおける性暴力被害者の安全とプライバシーの確保を求める緊急要請
***大至急!**転載転送大歓迎**
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裁判員選任手続きにおける性暴力被害者の安全とプライバシーの
確保を求める緊急要請にご賛同ください
///////////////////////////////////////////////////////////////
みなさま
5月6日付読売新聞九州版で報じられたように、21日に開始される裁判員制度の裁判員選任手続きにおいて、性暴力事件被害者の氏名が裁判員候補者に開示されてしまうことが明らかになりました。しかし最高裁はこの問題について対策指針を出していません。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20090506-OYS1T00229.htm
被害者保護の手段を講じることなく制度を開始してしまわないよう、緊急の要請を行うことにしました。21日まで時間がありませんが、できるだけ多くの団体・個人の声を届けたいと思いますので、どうぞご協力をお願いいたします。
なお最高裁への申し入れを19日に予定しています。
●賛同署名の集約先●
以下のフォームを利用してajwrc.shomei@gmail.comにお送りください。
------------------------------------
裁判員制度における被害者のプライバシー確保を求める要請に賛同します。
●団体賛同の方
団体名:
●個人賛同の方
氏名:
肩書き(あれば):
------------------------------------
要請書
////////////////////////////////////////////////////////////////////
裁判員選任手続きにおける性暴力被害者の安全とプライバシーの確保を
求めます
////////////////////////////////////////////////////////////////////
最高裁判所長官 竹崎博允 様
私たちは、性暴力被害者の権利回復の観点から、5月21日より開始される裁判員制度における性暴力犯罪の取り扱い、とりわけ被害者のプライバシー保護について、重大な懸念を抱くものです。
裁判員が参加する刑事裁判が対象とする事件には、性暴力犯罪である強姦致死傷、強盗強姦、強制わいせつ致死傷、集団強姦致死傷が含まれますが、これらは対象事件の2割以上を占めると予想されています。にもかかわらず、報道によれば、性暴力犯罪事件においても、他の事件と同様に、それぞれの事件で100人にも及ぶ裁判員候補者に対し事件の概要と被害者の氏名が知らされるとのことです。
裁判員候補者が事件の情報を漏洩することは「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」の秘密漏示罪の対象とはならず、漏洩を防止する確実な手段は整備されていません。しかし最高裁判所はこの問題に対する対策の指針を出さず、各地方裁判所に解決をゆだねる方針であると報じられています。これでは、地裁によってまちまちな解決策となり、被害者のプライバシー保護が公平に保障されない可能性が否めません。現在刑事裁判において被害者のプライバシーが保障されていることとも大きく矛盾します。
性暴力犯罪は他の犯罪と異なり、性・ジェンダーに関わる社会的偏見ゆえに、しばしば被害者の側に責任が転嫁されたり、スティグマが付与されてきました。
適切な配慮が行われなければ、裁判プロセスそのものが二次被害を及ぼす場となる危険性があります。こうした性暴力犯罪の特殊な性質が考慮されることなく、他の刑事事件と同様の選任手続きが行われれば、被害者に二次被害発生の不安を呼び起こすだけでなく、二次被害を避けるために、被害にあっても被害届を出さないといった傾向を助長することにもなりかねません。
一般市民が参加する裁判員制度で性暴力犯罪を取り扱う上では、性・ジェンダー偏見を排除するために十分な配慮を払い、被害者のプライバシーと安全を確保することが必要不可欠です。事件情報の漏洩を確実に防止する措置を講じることなく、拙速に裁判員制度を開始すれば、この制度そのものが、被害者にさらなる加害を招き、性暴力犯罪の訴追と被害者の救済を阻害する原因となりかねません。
被害当事者および支援者との協議のうえ確実な安全保護の措置が講じられるまで、裁判員制度の開始を延期するか、それが困難な場合は、性犯罪に関連する事件について裁判員選任手続きを開始しないよう要請いたします。
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裁判員選任手続きにおける性暴力被害者の安全とプライバシーの
確保を求める緊急要請にご賛同ください
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みなさま
5月6日付読売新聞九州版で報じられたように、21日に開始される裁判員制度の裁判員選任手続きにおいて、性暴力事件被害者の氏名が裁判員候補者に開示されてしまうことが明らかになりました。しかし最高裁はこの問題について対策指針を出していません。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20090506-OYS1T00229.htm
被害者保護の手段を講じることなく制度を開始してしまわないよう、緊急の要請を行うことにしました。21日まで時間がありませんが、できるだけ多くの団体・個人の声を届けたいと思いますので、どうぞご協力をお願いいたします。
なお最高裁への申し入れを19日に予定しています。
●賛同署名の集約先●
以下のフォームを利用してajwrc.shomei@gmail.comにお送りください。
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裁判員制度における被害者のプライバシー確保を求める要請に賛同します。
●団体賛同の方
団体名:
●個人賛同の方
氏名:
肩書き(あれば):
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要請書
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裁判員選任手続きにおける性暴力被害者の安全とプライバシーの確保を
求めます
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最高裁判所長官 竹崎博允 様
私たちは、性暴力被害者の権利回復の観点から、5月21日より開始される裁判員制度における性暴力犯罪の取り扱い、とりわけ被害者のプライバシー保護について、重大な懸念を抱くものです。
裁判員が参加する刑事裁判が対象とする事件には、性暴力犯罪である強姦致死傷、強盗強姦、強制わいせつ致死傷、集団強姦致死傷が含まれますが、これらは対象事件の2割以上を占めると予想されています。にもかかわらず、報道によれば、性暴力犯罪事件においても、他の事件と同様に、それぞれの事件で100人にも及ぶ裁判員候補者に対し事件の概要と被害者の氏名が知らされるとのことです。
裁判員候補者が事件の情報を漏洩することは「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」の秘密漏示罪の対象とはならず、漏洩を防止する確実な手段は整備されていません。しかし最高裁判所はこの問題に対する対策の指針を出さず、各地方裁判所に解決をゆだねる方針であると報じられています。これでは、地裁によってまちまちな解決策となり、被害者のプライバシー保護が公平に保障されない可能性が否めません。現在刑事裁判において被害者のプライバシーが保障されていることとも大きく矛盾します。
性暴力犯罪は他の犯罪と異なり、性・ジェンダーに関わる社会的偏見ゆえに、しばしば被害者の側に責任が転嫁されたり、スティグマが付与されてきました。
適切な配慮が行われなければ、裁判プロセスそのものが二次被害を及ぼす場となる危険性があります。こうした性暴力犯罪の特殊な性質が考慮されることなく、他の刑事事件と同様の選任手続きが行われれば、被害者に二次被害発生の不安を呼び起こすだけでなく、二次被害を避けるために、被害にあっても被害届を出さないといった傾向を助長することにもなりかねません。
一般市民が参加する裁判員制度で性暴力犯罪を取り扱う上では、性・ジェンダー偏見を排除するために十分な配慮を払い、被害者のプライバシーと安全を確保することが必要不可欠です。事件情報の漏洩を確実に防止する措置を講じることなく、拙速に裁判員制度を開始すれば、この制度そのものが、被害者にさらなる加害を招き、性暴力犯罪の訴追と被害者の救済を阻害する原因となりかねません。
被害当事者および支援者との協議のうえ確実な安全保護の措置が講じられるまで、裁判員制度の開始を延期するか、それが困難な場合は、性犯罪に関連する事件について裁判員選任手続きを開始しないよう要請いたします。
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